「早く入れ」 吐き捨てる様な冷たい声と共に、ドンと背中を突き飛ばされる。 その反動と共に薄暗い部屋の中へと入ると、その後に霧島さんと黒咲さんが部屋へと押し込まれた。 高く聳え立った企業ビル、十五階のとある一室。 そこをこの男は、気に入って使っている様だった。 ここまで歩いてきて見えたビルの中では、そこそこ高いビルだと思う。 ……猫と子供となんやらは高い所が好き。 そんな言葉が頭に浮かび、微かに嘲笑を浮かべた。