「カードがある」 そう言って雪村がゲームテーブルに置かれた二枚のカードを手にした。 彼女の手にしたそれは《スペードの2》と《ハートの5》のカード。 辺りは鬱蒼とした緑が茂り、どこからか不気味な鳥の鳴き声が響いて来る。 このゲームテーブルの置かれた大樹の周りは、小さな空間になっていた。 そこだけぽっかりと整地した様に、地面が整っている。 そんな中で俺と藤谷、そして雪村は、茫然とゲームテーブルの前に立っていた。