「大丈夫ですか?……怪我、してるみたいで」 その俺の問いに、女の人は何も答えず、ただ静かに俺を見つめるだけだった。 その時不意に、彼女の右手の甲に刻まれた《ハートの9》のマークが見える。 「ここに居たら危ないし、よかったら俺達と一緒に……」 「馬鹿なのね。貴方、何も分かってない」 そう俺の言葉を遮って女の人は突然声を放つと、それからクスリと甘い吐息を洩らした。 「……え?」 彼女の言葉の意味が理解出来ず、小さく声を洩らしたその時だった。