「アンタの名前は?」 「……奏。雪村……奏(ゆきむら かなで)」 そう言って彼女は笑うと、ギュッと手を握り締める。 その時……やっと気が付いた。 彼女の握り締められた手が……微かに震えていた事を。 その震える手からそっと視線を外し、静かに目を閉じる。 「……いい名前だな」 そう言って笑って見せると、彼女は小さく……《ありがとう》と言った。