『プレイヤーの体には、命のカードが刻まれている。君が手にしたのは《スペードのJ》……それはカードの中で、なかなか上位のカードだよ。強い役をつくるのに必要なカード。それに選ばれた君は、他の人たちよりもすでに優位に立っている。やっぱり君には素質があるのかな。……主人公としての』

そう言って少年はクスクスと笑うと、こちらに向かってヒラヒラと手を振って見せた。

『それじゃせいぜい殺されない様に頑張って!!不正は出来ないけど、個人的に君を応援してるよ!!』

少年の嘲笑う様な声と共に、プツンとモニターが光を失った。

その瞬間、白一色だった周りの景色が歪み出し、ユラユラと妖しく揺れる。

「……な、何が起こって……」

一向に理解出来ない異常な光景の中、床に転がったままの【マーク】とやらの機械を慌てて拾う。

その瞬間、辺りが眩く光り、そして見えた光景に……思わず声を失った。