……本当におかしくて笑っていた訳ではないと、自分でも分かっていた。

きっと今の俺の笑みは、酷く歪で……ぎこちないと思う。

何故ならさっきから、体の震えが止まらない。

カタカタと微かに手が震え、それを抑える様に強く膝を抱える。

……もう……戻る事は出来ない。

そんな事を考えながら、膝を抱えたまま空を見上げる。

するといつの間にか空にはまん丸の月が淡く光り、それはまるで俺に何かを訴えるかのように……悲しく揺らいでいる様に見えた。