藤谷は死体の右腕に突き刺さったままのナイフを無造作に引き抜くと、それを振り血を払った。 その後、男の死体が握ったままの銃と、そして彼の持っていたリュック。 それから恐らく彼の命のカードである一枚のトランプを手にすると、藤谷は俺の元へと戻って来た。 「……ダイヤの3」 そう短く藤谷は呟くと、手にしたカードを俺に向かって差し出した。 その微かに血に濡れたカードを握り締めたまま、カタカタと震える手を強く握った。