「……ふじ……た…に」 そう小さく《彼》の名を呼ぶと、藤谷はそっと銃を握ったままの俺の手から……その手を放した。 「……大丈夫か?」 そう言って藤谷は窺う様に俺を見ると、そっと俺の肩に手を掛ける。 「……ああ……すまない」 震え、擦れた声で何とか返事を返すと、藤谷は俺をそっと屈ませ、ビルの隙間へと身を隠させる。 すると彼はそのまま死んでいる眼鏡の男の元へと走り、手早くその死体を漁った。