wild poker~ワイルドポーカー~


「……千尋ちゃん!!」

その藤谷の呼び声にハッと目を開くと、手にしたままの銃を男に向かって構えた。

すると男の瞳が驚愕で見開かれ、男はフルフルと瞳を揺らしたまま、茫然と俺の手にしている銃を見つめている。

真っ直ぐに銃口を男の胸へと向けて構える。

それは映画などの素人知識で、素人は頭などを狙うと外し易いので、胸などの大きな面を狙った方がいいと聞いた記憶があるからだ。

そんな知識が今この場で思い起こされ、しかしそんな記憶が蘇った事を恨めしく思った。

……引き金を引けば、本当に弾が出るのだろうか。

またそんな事を考えながら、グッと銃を握る手に力が入る。

しかし……引き金を引く事はしなかった。