「……千尋ちゃんはそこから動かないで!!今からそっちに行くから!!」 その藤谷の叫びに小さく手を上げて答えると、藤谷は辺りの様子を窺う様にそっと壁から顔を覗かせる。 するとすぐに彼の頭上を銃弾が襲い、藤谷はヤレヤレと困った様に肩を竦めて見せた。 荒れる呼吸を何とか宥めながら、必死に冷静さを取り戻そうとする。 ……ここで取り乱せば、待ち構えているのは残酷な《死》だけ。 そんな事を考えながらそっと視線を落とすと、千切れた腕が握っている存在に今更気が付いた。