「すぐに答えを欲しがるんじゃねェよ!……って、なぁ~に、お前が本当に主人公なら、物語にはクライマックスってもんがあんだよ!その時、知りたくもない真実が、ボロボロ出て来るもんだろ!!ケケケッ!!」

そう言ってケラケラと高らかに笑うコウモリから視線を外すと、そっと目を閉じる。

すると相も変わらず、遠くから乾いた銃声が木霊している音が聞こえた。

……物語の結末。

そんなモノがあるのだとしたら、今、ここで終わって欲しいと切実に思う。

クソみたいなシナリオでも、有り得ない超展開でも、夢オチでも……何でもいい。

終わるのならば……今すぐに終わってくれ。

そんな事を考えながら、そっと目を開く。

……しかし俺の願いは届かない。

心の中で小さく呟き、自嘲気味に笑う。

するといつの間にか空にはまん丸の月が淡く光り、それはまるで俺に何かを訴えるかのように……悲しく揺らいでいる様に見えた。