「……ど、どうしたの?」 走る足を止めて彼女を振り返ると、彼女は膝に手を当て、ゼイゼイと呼吸を荒げながら首を横に振った。 「……もう……走れない」 そう擦れた声で霧島さんは答えると、苦しそうにギュッと胸元を押さえる。 それを茫然と見つめたまま、答えを求める様に須藤さんを振り返る。 「じゃ、少し歩こう。立ち止まっているよりかは随分マシだと思うから」 そう言って須藤さんは笑うと、辺りを窺う様に見回しながら静かに歩き始めた。