「アイドルもマネージャーも、“社会人”なんだ。自分の気持ちばかり通してたら、今の時代は仕事にならない。慶太はそれをきちんと学んだんだな。」


須藤さんはまるで”お兄ちゃん“みたいにケイを見て誇らしげに言った。


「‥まあ度が過ぎると“スキャンダル”の元になるんだけどね。今は春奈ちゃんが側にいるから大丈夫かな。」


須藤さんの苦笑いに、更に私は不安になる。


‥私なんかより、ケイの方が大人かも‥。


「春奈ちゃんも頑張ってね。期待しているよ。あとは春奈ちゃんの“ヒーロー”に任せて俺は次に行くね。」


須藤さんは小さく手を振ると、忙しそうに次の仕事場に向かった。


”社会人として“か‥。


私も頑張ろう。


私は身が引き締まる気持ちで、アイドルの“青木 慶太”を見つめた。