「北園さんって優しいんですね。」


「あれ?今頃気づいた?」


沈んでいた気持ちが少し軽くなって、私も北園さんにつられて笑っていた。


「‥何があったのかわからないけど‥春奈ちゃんを最高の笑顔にしてくれる彼のこと‥大切にしなよ?」


「ま、俺のカメラの腕もイイんだけどね」とおどけて、北園さんは私の頭にポンッと大きな手を置いた。


ケイの隣で笑っている私は‥本当に幸せそうだった。


「写真、大切にします。」


私がそう言うと、北園さんは黙って頷いた。
 

ケイ‥ケイは本当に【happiness】を脱退しちゃってイイの?


未練‥ないの?


私は優しく微笑んでいる、写真の中のケイに問いかけた。