「ハルちゃん、そこにいて?すぐに迎えにいくから!!」


そう言って電話が切れた後、5分も経たないうちに本当に理沙ちゃんが迎えに来てくれた。


タクシーの運転手さんに行き先を告げると、理沙ちゃんは私の手をギュッと握ってくれた。


「ハルちゃん‥辛かったね‥」と呟きながら‥。


‥タクシーに乗って着いたところは、大きなマンションだった。


「ここ、私の事務所の近くで仕事用に借りてるの。」


そう言って、理沙ちゃんはマンションの一室の鍵を開けた。


中に入ると、理沙ちゃんが私の手を取って話した。


「ハルちゃん、よく聞いて。誰かがハルちゃんと慶太のスキャンダルを週刊誌に売ったの。私達の実家はもう報道陣で囲まれてるから、しばらくは近寄れない。だから、騒ぎが落ち着くまでここに隠れてて?いい?」


「理沙ちゃん‥。」