◇◇◇◇◇


これからどこに行こう‥。


ケイが貸してくれたジャケットもそのまま持ってきちゃったし‥。


とりあえず実家に戻ろうか‥それともどこか安いホテルを探そうか‥。


とぼとぼと歩いていると、カバンの中の携帯の着信音が鳴り響いた。


「‥電源、切らなくちゃ‥。」


そう呟きながらディスプレイを見ると、着信はケイのお姉ちゃんの理沙ちゃんだった。


「‥もしもし。」


私は少し躊躇ったけど、切るに切れずに電話に出てしまった。


「もしもし?ハルちゃん?今どこ!?大丈夫なの?」


「‥理‥沙ちゃ‥ん‥。」


理沙ちゃんの声を聞いたら‥それまで堪えていた涙がボロボロと溢れだした。