楽屋の中に入った瞬間、ケイが私を強く抱きしめた。


「‥どうして俺に相談もしないで、こんなことしたんだ?」


「‥ゴメンなさい‥。」


今になって体が震えていることに気付いた私。


「‥私、どうしてもケイのことが守りたかったの‥。」


ケイが私から離れて、私の顔をのぞき込んだ。


「亮さん‥花梨さんが隠し撮りしたケイとの写真も持ってて‥。亮さんの女になったら、データごと渡してくれるって‥。私が我慢することでケイの幸せが守れるなら‥私は何だってするよ。」


「俺の幸せってなんだよ‥。」


「私、ケイのマネージャーをやってわかったの。ケイは芸能界に必要な人なんだって。ケイは【happiness 】のメンバーでなきゃいけないんだって。」


「‥それが俺の幸せかよ!?一番大切な女にこんな思いまでさせて‥俺が幸せだとでも思うのかよ!?」


ケイの怒鳴り声が響く。