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沖縄で夢のような時間を過ごした私達は、再び東京で忙しい毎日を送っていた。


【happiness 】の新曲のレコーディング、テレビの収録‥。


分刻みで仕事をする日もあるけど、私はケイの側にいることができて、幸せな日々だった。


楽屋で二人きりの時間を過ごしたり、みんなに隠れて手を繋いだり‥。


やっと”幼なじみの殻“から抜け出して、恋人として相手を想うことができた気がした。


それに‥ケイとお揃いの腕時計が、二人の気持ちが確かなものであることをしっかりと立証してくれた。


‥そんな毎日を過ごしていて、私達はどこか少し油断していたのかもしれない。


小さな出来事が、私達二人のこれからを左右する出来事に発展してしまうなんて‥。


ケイは国民的アイドルの“青木 慶太”で、私だけの存在ではないということを‥私は嫌と言うほど想い知らされることになる。