‥そうだ、私と同い年の翔太くんだ!


「こんばんは。」


「さあ、こちらにどうぞ。」


翔太くんがカウンターの椅子を引いてくれると、なっちゃんが「彼、慶太に雰囲気似てるね」と囁いた。


「いらっしゃいませ。またお越しいただくのをお待ちしてましたよ。」


店長の羽山さんが”おしぼり“を渡してくれて、カウンターに手早くコースターを置いた。


「私のこと、覚えててくれたんですね。」


私は嬉しいような恥ずかしいような、くすぐったい気分だった。


「‥あんな泣き顔を見れば、イヤでも覚えるだろ。」


カウンターの奥の方から、須藤さんの知り合いの松木さんが出てきた。


「‥こっちの人の方が慶太に似てるかも。」


なっちゃんが笑いながら囁く。