「彼、松木 サトシくん。俺の同級生の弟なんだ。」


カウンターにいたバーテンダーの松木さんが軽く頭を下げた。


「一杯、作ってもらえるかな?俺はいつもの。」


「かしこまりました。‥どのようなカクテルにしましょうか?」


松木さんが私を見た。


長身で整った顔立ちの松木さん。


よく見ると、他のバーテンダー達も”イケメン“で‥。


一人ニッコリ笑う女性バーテンダーが、一輪の花のような可憐な雰囲気だった。


「‥強いお酒が飲みたいです。」


私が鼻声で言うと、松木さんがじーっと私を見てきた。


ニッコリ笑うわけでもなく、睨んでるわけでもなく‥まるで私の心をのぞき込んでいるような‥不思議な表情で。


まさか‥ね。