◇◇◇◇◇


やっと泣き止んだ私は、須藤さんの車の助手席に座っていた。


「春奈ちゃん、落ち着いた?」


須藤さんが車を走らせる。


「‥須藤さん、すみませんでした。」


私がグスッと鼻声で言うと、須藤さんは運転しながら話した。


「いいんだ、春奈ちゃんが無事ならそれで。」


その後は無言のまま、車のエンジン音だけが響いていた‥。


‥しばらく走った後、車は細い路地裏に止まった。


「春奈ちゃん、ちょっとメイク直して待ってて?一杯おごるから。」


須藤さんは車から降りると小さなお店のドアを開けて中に入っていった。