彼はスター


あたしたちはその後も会話は弾み。夕飯を食べそれぞれ帰った。洋人君は竜んちに。


翌日、私は友達の若ちゃんと食事に出かけた。


若ちゃんは学生時代の友だち。インディーズでバンド活動中。


いつもと違うこじゃれたレストランに行った。

いつもは古びた居酒屋にいくのに、今日はどうしたんだろうと思ってたら。

男の子が2人席を立って私たちを迎えてくれた。

あたしは若ちゃんの顔を見た。

「たまにはこういうのもいいでしょ。」
若ちゃんはニコッと笑った。
とっても可愛いけど、
「それならそうと言ってよ。自分ばっかりオシャレして。」

あたしは男の子たちに聞こえないように小声で言った。


あたしは席に着き品定めするように男の子たちを見た。

2人ともスーツ姿、会社員らしい。爽やかでかっこいい。


ムキムキの方は寛太君で、もう片方は龍成君
。龍成君は細身。
IT企業に勤めているんだって。


私は突然の男の子たちの登場にもかかわらずその食事を楽しめた。自分でも意外だった。

この人と付き合うのかなぁってぼんやり考えてみたりした。

寛太君と若ちゃんは友だちで、今日の席が設けられたらしい。

和やかムードで食事会は終わった。龍成君が私を送ってくれることになった。


「実はファンなんです。美緒さんの。会えて感激です。寛太と若ちゃんには言うなって言われてたんだけど。今日は舞い上がってて自分でも何がなんだかよくわからなくて。」

タクシーの中で龍成君は言った。
「へえ!そうなの?嬉しい!ありがとう!」

昨日は洋人君で、今日は龍成君。あたし若い男の子のファン多いのかなぁ。知らなかった。

友だちが増えて時間もつぶせそう。
私はニンマリ。


でもファンの男の子と遊ぶのってどうなの?!

なんかダメじゃない?
でも、紹介されてるから、いいかも。付き合うわけじゃないし。