「とりあえず水でも飲んで。昨日の事聞きたい?」


翔君に言われてあたしは頷いた。

「オレ、横浜でライブ見てたの。そんで、別れ話してるのも聞いた。そしたら美緒ちゃんがフラフラ歩き出したから、ついてって。一緒にタクシー乗ったんだよ。そんで、お台場の海見てたの。落ち着くかなって思ったんだけど、あまり効果がなくて。そしたら美緒ちゃんがお酒のみたいって言うから、俺の知ってる蕎麦屋行って。そこで美緒ちゃんは焼酎を飲んでたよ。
お酒飲み始めたら将大の文句ばっかりたくさん言ってた。そのうち泣き出したり、笑い出したり。
声が大きくなってきたから、カラオケに移動してまた飲んで騒いで。
家に帰りたくない!翔君ち連れてって。と言うので連れてきたけど、美緒ちゃんはベッドに着くなり眠りました。終わり。」




翔君は笑い話のように楽しそうに聞かせてくれた。
私は立ち上がり、頭を下げた。


「あの、すみませんでした!私、取り返しのつかないことを。迷惑かけて。」


「いいよっ迷惑じゃないし。楽しかったんだよ。美緒ちゃんには悪いけど。」