ーー隼人sideーー



「新…本当に楓宇の事、忘れちまったのか?」



「…………………」



「なんとか、言えよ!新!」



「………忘れてない…って言ったら、どうする?隼人。」



「忘れて……ねぇの、か?」



「あぁ」



「なんで…なんでだよ!なんで、楓宇を泣かせるような事すんだよ!?」



「つらいんだよ…楓宇が…まだ隼人の事が好きだから…」



「え…?」



「中学の卒業式の日…俺が楓宇に告白した時に言われたんだよ。」





~中学の卒業式の日~(新side)


『楓宇ちゃん!俺、楓宇ちゃんが好き!絶対、大切にするから!付き合って?』

『ごめんなさい。ずっと忘れられない幼なじみがいるから、相原くんの気持ちには応えられない。』

『もしかして…死んだとか?』

『わかんない…もう7年、会ってないから…』

『じゃあ、俺をそいつのかわりだと思っていいから!』

『そんなのダメ!…相原くんに悪いから。』

『俺、本気だから!楓宇ちゃんの事マジで好き!ダメ?』



楓宇ちゃんは、ちょっとの間考えて…



『高校の入学式までに会えなかったら忘れるから…その時まで、待ってくれる?』