嬉しそうに頷く芳樹。 少しむず痒くなり、紘哉はそっぽを向いた。 「でもさぁ……ナイフとかで脅されてたら?」 不意に狸翠が口を開く。 紘哉は横目で彼を見た。 「もしも犯人が凶器を持っていて脅していたら? 大声出したくても出せないだろ。 そこのところはどうなんだ?」 「あー……考えていませんでした」 事実なので、素直に負けを認める。 すると、彼は勝ち誇ったような笑みを浮かべた。 よっぽど紘哉の事が気に入らないのだろう。