「――で、何で俺だけ呼んだんだ?」 場所は変わって芳樹の車の中。 バスは一時間に一本しか来ないらしい。 そんな現実にげっそりしながら、紘哉は車へ乗り込んだ。 「あぁ、その事ね。紘哉に色々と仕込もうと思って」 「それが勉強であることを願います」 嫌な予感しかしない。 皮肉も通じないのか、芳樹はカラカラと笑った。 「まぁ、分かる範囲だったら教えるよ」