紘哉が頭を下げると、芳樹は嬉しそうに笑った。 三雲芳樹(みくも よしき) 50歳 紘哉の父方のおじさん。 優しそうな顔とは裏腹に、怒ると物凄く恐いことで定評があるらしい。 実際、それは体験済みだ。 今でも紘哉のトラウマになっている。 夏だと言うのにスーツをしっかりと着こなしている。 どんな仕事をしているのか、紘哉の父親さえ知らない。