その時、ちょうどいいタイミングでチャイムが鳴った。 廊下に出ていた生徒達が、続々と教室に入っていく。 恵一は心の中でガッツポーズをした。 「ほら二人ともさ、チャイム鳴ったよ」 「分かったわ。ありがとう、花形くん」 それだけ言うと、紗季は恵一の頭をひっぱたいて自分の教室に入っていった。 「なぁ、何で俺ばっかり叩かれるんだ?」 「叩きやすい頭してるからだろ」 紘哉も呆然としている恵一を置いて、教室に戻っていった。