こちらミクモ探偵事務所3


紗季は拳を握り締めたまま、仁王立ちをしていた。

「……でたよ、理系女子」

思わず紘哉と恵一の声が揃う。
その言葉を聞いた瞬間、紗季の眉毛がつり上がった。

「何が一夏のアバンチュールよ。そんな事言ってると、大学落ちるよ?」

「言っておくが、俺はアバンチュールなどと言う単語を発した覚えは無いぞ。言い出したのはケイだ」

紘哉は恵一を指差しながら、口をへの字に曲げる。
指を差された本人は、ポカンとした顔をしていた。