「せっかくお前と一緒に一夏のアバンチュールを体験しようと思ってたのに」 「悪いな。海のバイトすれば、女の子の一人や二人引っ掛けられるんじゃないのか?」 「……紘哉さ、俺がモテないの知ってワザと言ってるだろ?」 「別に」 若干涙目になりつつ恵一を軽くあしらいながら、彼は手に持っていた文庫本を開く。 挟んであった栞を取った瞬間、恵一に文庫本を取り上げられた。