「分からない。けど、彼女の気持ちも察してくれ」 「……」 夏紀はうつむき、黙り込んでしまった。 精神的にもボロボロの夏紀に、酷いことを言ってしまったと若干思う。 しかしあの時の悠里の顔を見ると、どうしても言っておかなければいけない気がした。 また警察署内がしんとする。 雄太郎はまだ戻ってこない。 手持ちぶさたに窓の外を見ていると、紘哉の携帯電話が鳴った。 携帯電話を開き、画面を確認する。 相手は狸翠。 彼は慌てて電話に出た。