「聞いても決して楽しい話ではない。それでもいいのか?」

「うん。覚悟できてる」

羽兎は真剣な目で紘哉を見つめ返す。

彼はもう一度小さくため息をつくと、ゆっくりと口を開いた。

「俺は黒蜜会と因縁がある」

「本当に?」

「あぁ。もしかしたら山田の事も知っているかもしれない」

「……」

「あれは六年前。俺が高三の頃だ――」