結局何も言い出せなかった。 紘哉の不安を感じ取ったのか、芳樹は彼の肩をポンと叩いた。 何も言わずに見上げる紘哉。 「大丈夫。心配ないから」 「……」 「少しコンビニに行ってくるだけだから。危険はない」 「……」 芳樹はスーツをビシッと整えると、100万円をポケットに入れたまま、事務所の玄関へと向かう。 「おじさん」