「……で、なんで」

俺は自分の服をハンカチで拭きながら訊く。

奏はモジモジしながら、口を開いた。


「…その、告白されたんだけど」

「へぇ~」

「……私、好きな人いるし…その…」

「…」

好きな人いたのかよ、こいつ。じゃぁ、少しは俺のこと警戒したらどうだ。

という、ツッコみは抑えて俺は奏の話を聞くことにした。

「……でも…どう断ればいいのか…」

「あー……普通に『好きな人がいるから』とかじゃだめか?」

「……今日…そう言ったら…『そいつ連れて来い』って」

なぜか俺から視線をそらす奏。別にそらさなくても。