俺、一応男ですが?

「……翔、やっさしぃ~」

「やっぱり返せ。友達にやる」

「…………焔…とかいう人?」

「男にあげてどうするんだよ。女だよ、女」

「…返さない。私がもらう」

拗ねたような視線で俺を一瞥した後、奏はそれを鞄に付けた。

付けた後に嬉しそうに微笑む。

「ウサギじゃなくてもうれしいのか」

「…出来ればうさぎが良かった」

「わがまま言うな。取れなかったんだよ」

「仕方ないから猫で我慢してあげる」

なんで上から目線なんだよ。

奏はさっきとは打って変わって軽い足取りで道を進んだ。

俺もその後をついていく。