俺、一応男ですが?



夕暮れの色に染まった道を二人で歩く。


「…」

「…」

しかし、無言。

奏は疲れ果てたのか、うとうとしながら 頼りない足取りで歩んでいた。

「奏」

俺は奏の名を呼び、鞄から手のひらに収まるくらいの物を投げた。

奏はソレを額に受ける。

「投げないでよ! 結構痛いんだよ!?」

「土産」

「土産って…ゲーセンに行っただけじゃん」

奏は下に転がるそれを拾い、目を丸くした。

「ウサギじゃねぇけど」

「……かわいー」

「なんだよ、その間は」

奏が手にしているのは猫のストラップ。さっきウサギの代わりに落ちてきたものだ。