俺、一応男ですが?

「知ってた? 昔、小学生だった私の数あるあだ名の一つに『何でも食らうブラックホール』というのがあることを…」

「どんだけ食ってたんだお前」

給食だろ? そこまで量ないだろ。

「昔はみんなが『あげます』って跪いてたなぁ…」


俺の質問に奏が遠い目をして答える。


「ガキ大将」

「失礼な。皆の誠意だよ。きっと」

「皆おびえていただろうな」

「あの瞳…忘れられないなぁ…」

奏では俺に「オレンジシャーベットだけでいいや」とか言いながらさらに遠い目をした。

店員がシャーベットをカップに乗せる。

「…どんな瞳だったんだ」

「カエルに睨まれた蛇のような…」

「それ逆。ソレを言うなら蛇に睨まれた蛙な。しかもそれだと身動きが取れなくなってるぞ」

「…」

無言で店員さんからシャーベットを受け取る奏。その顔は恥ずかしさで真っ赤に染まっていた。