俺、一応男ですが?

「18金?」

「たぶん漢字違う!」

俺が立ち上がって本をとろうとすると、奏も立ち上がって逃げた。

逃げるな!! 返せ!! 18禁の意味も分かっていない奴が読むな!!

「この主人公、ポニーテールの巨乳だけど…。ほかの本もそうだったよね? なに? それが好みなの?」

「分析するなぁぁ!!」

恥ずかしさで死ぬから!! 俺が!!

奏が壁際でぴたりと止まる。

俺はその数歩手前で止まった。

「返せ」

「え、やだよ」

「はぁ!?」

「友達に自慢するんだぁ。私の幼馴染はこんなに大人なんだよって」

「自慢できねぇよ!! 俺がただの変態になるからやめろ!!」

そんな満面の笑みで瞳を輝かせてその本を見るな!! そして俺を見るな!!

「えー」

「えーじゃねぇよ!! 返せ」



「わかった!! 私、こういう女の子を連れてくるよ!! 交換条件でどう!?」



「そういう問題じゃねぇ!!」

交換条件出されても絶対渡さないぞ!? そんなことしたら俺が変態になるだろ!!

俺が少しずつ間を詰めていくと、奏は少し体を縮こまらせた。