「さ、学校行くかな」
さっさと食パンを食い終えると、奏は鞄を持って立ち上がった。
早くね?
「まだ早いだろ。6時だぞ」
いくら電車通学だとしても早すぎる。
俺が引き止めると、奏が鞄の中から綺麗な封筒を取り出した。
そしておれをピラピラと振る。
「呼び出されてるの。隣のクラスの男子に」
「果たし状?」
「うーん……わかんない」
「へぇ。じゃぁ一応気を付けておけよ。朝早いし、危ないから」
「はーい」
「いってらっしゃい」
「いってきまーす」
俺は奏を玄関まで見送ると、部屋に戻って大学へ行く準備をした。