「ごめん…無理…」
「……なんで?」
俺が断りを入れると、奏が少しイラついた顔で聞いてきた。そりゃそうですよね。すみません。
「その…恥ずかしくて」
「ヘタレっ!!!!!!! このヘタレ!!!!!」
奏が顔を真っ赤にしながら怒る。そして俺を叩く。
すみません…それでも恥ずかしいものは恥ずかしいんです。
「うぅぅー…私もそれなりに勇気出したのにー…」
「すみません」
「いかがわしい本持ってるくせにー…」
「誰でも持ってるよ!! 俺だけじゃないよ!! そして、あれは友達のだって!!」
「今、俺だけじゃないっていったね? 持ってるんだー。へーーー」
あ、自爆した? っていうか地雷踏んだ? なんか怒ってるよ。
奏はさっきとはうってかわり、笑っていた。…目以外は。
はははー。表情がコロコロ変わるなんて、可愛いなー。

