奏は釈然としない様子で俺の腕を離し、一歩後ろへ下がった。

「じゃ、帰ろう。続きは帰ったあとでよろしく」

「・・・・・・」

「もし家でするのが嫌なら今ここで...」

「お断りします」

「じゃぁ帰ろう! みんなも一緒に」

み ん な も 一緒 に


え?


俺は言葉の意味がなぜか理解できなくて数秒固まってしまった。

「何言ってんの!? こいつらはもう帰らせるよ!? それぞれの自宅に!!」

「なんで? せっかく協力してくれたんだからお礼しないと」

「既に人んちの土産食い荒らしてるよ!?」

もうそれがお礼ってことでいいんじゃないかな!?

「「お礼はお夕飯おごってくれるだけでいいよ(いいですよ)」

「お前ら十分食っただろうが!! これ以上何を食うんだ!!」

絶対に食わせないからな!? 家来んなよ!? 第一もう親いるし!!

俺はさらりと要求する二人にツッコミを入れる。