「もう怖がらない、受け入れるからキスして?」
逃げられない様にか、奏はおれの両腕をがっしり掴んできた。
「今!?」
「今」
「公園だよ!? ここ外だよ!?」
「そうだね。それがどうした!」
いや、外でキスとか恥ずかしいから!! 知り合いに見られたら困るし!!! 焔たちは別だけど!! 近所のおばちゃんとかにみつかったらもう外に出られないから!!
俺より身長の低い奏は上目遣いで俺の顔を覗き込んできた。
「だめ?」
「うん。家でならまだ・・・」
「じゃぁ家でいいよ。我慢する」
よかった・・・。
俺は奏があっさり折れてくれたのでホッと胸を撫で下ろした。
「かわりに、この場所で、『好き』っていって?」
「好きだ」
「あっさり言われるとやりがいないね」
なぜだ。要求通り言葉を言ったのに。

