「頭冷やさないと…」
目に涙を浮かべている奏。
「困らせてごめんなさい」
なぜ謝る? 俺、確かに困ってたけどそんなことは日常茶飯事だし。
奏は顔をあげようとせず、ずっとうつむいたままだ。顔はわずかにしか見えない。
「奏」
「…」
びくりと、小さく方を揺らす奏。
あぁ、そんなに怖がらなくていいのに。
っていうか、怖がらないで。傷つく。
「奏」
「ご…めんなさ…」
「奏」
第一、奏は何もしていないじゃないか。少し酔っ払っただけで。
俺は怯える奏の頭に触れようと、手を伸ばす。
さらさらとしている、綺麗な黒髪。
それに触りたい気持ちもあった。が、それよりも奏の頭を撫でたかったのだ。

