俺、一応男ですが?

「驚いた?」

「聞こえてきた声を空耳だと疑うほどには」

「やった!!」

コイツは俺を驚かせたかったのか。

奏が嬉しそうにガッツポーズを取り、俺はただそれをボーっと見ていた。

「あ、そうだ」

「なんだ?」






「ご飯にする? お風呂にする? それとも…」




「…」

言葉の先が予想できるので、俺はドキドキしながら言葉の続きを待っていた。


「……たわし?」

おしい。使っている文字は一緒だが、順番が違う。

「私な? わ、た、し」

「…それとも私にする?」

「そりゃかな…」

俺は口を抑えた。

うん。これは言っちゃいけないことだ。言ったらまた怖がらせるだろう。