「ただいまー…」
俺は鍵を開けて玄関を開ける。
まぁ、言葉に返事があるわけないが…。
「お帰り~」
「…」
靴を脱ごうと屈んだ俺に言葉が投げかけられる。
空耳だ。きっとそうだ。
「お帰りなさい」
「…」
「お・か・え・り・な・さ・い!!!」
「た…だいま」
どうやら空耳ではないらしく、耳元で叫ばれた。
声のした方を向くと、奏がエプロンをして、片手にはおたまを握っていた。
「早いな…奏」
「ふふふー…夕飯も作っておきました!!!」
…。
奏が料理…?
「熱でもあるんじゃ…」
「んなわけないでしょ」
俺が熱を測ろうと、手をのばすと叩かれた。

