「はい。事情はわかりました」
「それはよかった」
俺は今、大学帰りに瀬野さんとスタバによっている。
まぁ、この間のことについての相談だ。こういうことは女子に聞いたほうがいいだろうと。
瀬野さんは俺の話を一通り聞くと、ココアを口に含んだ。
「いっそのこと付き合うのがいいと思いますよ」
「…」
それができないから困っているんじゃないか。
「どうせ両想いでしょ?」
俺は思わず手に持っていた飲み物を握りつぶした。幸い、中身は空だったので助かったが…。
「いや、それはないと…」
「話を聞いている限り、奏ちゃんを見ている限り、ほぼ100%両想いですけどね」
「だったら…なんで泣かれたの? 俺」
「怖いからでしょうね」
結構ズバッというなぁ…瀬野さん。
俺の心に刺さる言葉が次々と放たれる。やばい。このままだと心が傷だらけになる。