「デザート何ー？」
「……フルーツぽ」
「翔真がいいなぁ」
俺の言葉を遮り、言葉を綴る奏。
え？ 俺食うの？
「まて。どういうことだ」
「そりゃぁ……翔真とセ」
「よし。フルーツポンチを食べよう」
俺は奏の言葉を遮る。
聞きたくないことは聞かない方が良い。俺の持論だ。
「ひどいなぁ。ごちそうさま」
グラタンをたい上げると、奏は丁寧に手をのひらを合わせて挨拶した。
うん。いい子。
「……じゃぁデザートは」
「フルーツポンチな」
「翔真だね」
爽やかで可愛らしい笑顔で危険な言葉を発する奏。
ははは。聞こえないぞー。
俺は心の底から聞こえないふりをした。
