「翔真」
「なんだ」
「今夜は帰りたくないの」
「すでに帰ってるだろ」
奏が駄々をこね、ベッドに入らないので仕方なくソファで寝かせた結果、奏はずっと話しかけてきている。そしてたまに誘惑しようとしてくる。
「しようよー」
「なにをだ」
「せ」
「夕飯できたぞ」
「…」
奏が不満そうに顔をしかめる。
そんなこと、知ったことではないが。
俺はうどんを器に入れ、お盆に乗せる。そしてそのまま奏のほうへ足を進めた。
「食えるか?」
「あーん」
「…」
しろというのか!? 俺に!! あの恋人同士がやる「あーん♡」を!!
戸惑いが隠せない。

