俺、一応男ですが?

「…………ちっ」

今、舌打ちしなかった?

俺から視線をそらして、隠れて舌打ちをした奏。ちょっと怖いぞ。


「仕方ないね。じゃぁ我慢するよ」

「あぁ…」

そんなこんな話しているうちに奏の家の前に着く。明かりはついていないし、本当にいないのか。

「よる?」

「は?」

「家、上がってく?」

「帰る」

ほら、やらなきゃいけないことあるし。それに、俺も男だし。理性が保てるかどうか…。

「またね。送ってくれてありがとう」

あっさりとした様子で俺に手を振り、家の中へと入ろうとする奏。

いろいろ不安だ。



「奏、今すぐ鍵を閉めろ」


「んーー」

奏は家の中に入ると、ガチャという音を立ててカギを閉めた。


ソレを確認して、俺は踵を返した。