俺、一応男ですが?

ガラ


ぅわお。ナイスタイミング。

「…………何してるんですか?」

開け放たれた扉のところには同じ講義をとっている瀬野李里香がいた。

ありえないものを見るかのような目で俺と焔を凝視している。

「愛のキスをしようとしているのさ」

爽やかな笑顔でえげつないことを公言する焔。

「違うからね!?」

「そうですか…お邪魔しました」

「あれ!? 俺の声聞こえてないの!? 否定したよね!? 俺!!」

「お二人がそういう関係だったとは露知らず…」

「聞いて!! 俺の話と言葉を聞いてお願い!!」

俺の言葉を無視してどんどん最悪な方向へ思い込みを進めていく彼女を止めようと必死に声を出すが、やはり彼女の耳には届いていないようだ。

「じゃぁ……あと五分ほどしたらまた来ますので……その……それまでに終わらせておいてください」


「なにを!?」



彼女はそう言って教室を出ていってしまった。